こんにちは、幸せな自由妻の蒼井礼子(あおい れいこ)です。
私は大学時代に、当時住んでいた阿佐ヶ谷の老舗和菓子屋でアルバイトをしていたことがあります。その和菓子屋は創業80年を超えていて、私の母が小さい頃から地元で親しまれていたそうです。
大学時代の私が老舗和菓子屋でアルバイトしようと思っていたのは、正直に言うとそのお店の和菓子が食べたかったからです(笑)奨学金をもらいながら大学に通っていた私に高級和菓子を買う余裕はなく、大学の帰りにお店を見ては「美味しそうだな~」と思っていました。
そんなある日、その老舗和菓子屋が年末年始のアルバイトを募集していることを知りました。思い切って応募してみたところ無事採用され、短期のつもりが結局約2年間も働きました。
振り返ってみれば、老舗和菓子屋にはビジネスを長続きさせるための秘訣があったように思います。ここでは私が老舗和菓子屋のアルバイトから学んだ、ビジネスを長続きさせる秘訣についてご紹介します。
老舗和菓子屋のアルバイトで学んだ、ビジネスを長続きさせる秘訣
私が老舗和菓子屋のアルバイトで学んだビジネスを長続きさせる秘訣は、「お金ではなく信用を大切にする」ということです。私は大学時代に5つ以上のアルバイトを経験しましたが、一番学びが多かったのは老舗和菓子屋だったと思っています。
「高級和菓子を食べたい」というやや不純な動機で老舗和菓子屋のアルバイトに応募した私ですが、その希望はなんとアルバイト初日で叶えることができました。
店長はお店の商品を1個ずつ紙袋に入れて(たしか20個以上あった記憶があります…)、私に渡しながらこう言いました。
店長「はい、じゃあこの袋に入った商品を明日までに全部食べてきてね。」
私 「え、明日までですか?」
店長「そうだよ、お店の味を知らないと接客できないでしょ?」
私 「わ、分かりました~。」
老舗和菓子屋の高級和菓子を食べたい思いでアルバイトに申し込みましたが、まさか1日で20個以上も食べることになるとは想像していませんでした。
こうして私は紙袋に入った大量の和菓子と、各和菓子の名前・原材料・原材料の産地などが細かく書かれた説明書を家に持ち帰りました。そして説明書を見ながら和菓子を一口ずつ食べて、食感や甘さなど感じたことを紙に書いていきました。(さすがに一人で全部は食べられないので、残りは家族にあげました。)
和菓子の情報を頭に叩き込み、なんとか年末年始のアルバイトを乗り越えることができました。本来であれば短期アルバイトだったのですが、店長から「これからも大学の帰りとかに働いていいよ。」と言って頂けました。結局大学院に入学するまでの約2年間、その和菓子屋で働かせていただきました。
年末年始の短期でしか働かないアルバイトにも、お店の商品の味をしっかり学んでもらう。お金より信用を大切にするからこそ、老舗和菓子屋は長い間地元で愛され続けているのだなと思いました。
「お金」ではなく「信用」を大切にする理由

年末年始の数日しか働かないアルバイトの人間に、決して安くない和菓子を20個以上食べさせるお店は初めてでした。私はかなり驚きましたが、それだけお店の味に自信があるのと同時に、アルバイトであろうとお店の味を説明できる人材に育てようという気持ちが感じられました。
老舗和菓子屋で働いて分かったことは、スタッフの方々はお店の商品を売ろうとはしていなかったことです。お店を常に清潔にして、商品を綺麗に並べて、お客さまが気持ちよく和菓子を買えるお店作りをする。商品を売るのではなく、紹介するように接客していました。
和菓子の味は本当に美味しかったので、少しいいお値段でも沢山の方に買って頂いていました。特に年末年始は一日中お客さまが絶えなかったので、かなり忙しかった記憶があります。地元にはリピーターのお客さまが沢山いらっしゃって、3,000円以上する箱詰めのセットを100箱以上予約される方もいました。
なぜこれだけ沢山の人に求められる和菓子屋だったのか、それは「お金」ではなく「信用」を大切にしていたからだと思います。本当に美味しい和菓子を作り、お客さまに気持ちよく和菓子を買っていただける環境を作り、短期アルバイトであろうとお店のをしっかり学ばせる。ビジネスを長続きさせる秘訣は、自分ができる限りの価値を相手に提供することだと感じました。
信用残高の高い人が、お金に恵まれる時代に
老舗和菓子屋で学んだ「自分ができる限りの価値を相手に提供する」ということを胸に、私は新卒で製薬関連企業に入社しました。入社して半年は自分の価値を提供しようと、新入社員なりではありますが仕事に精を出していました。
しかし会社で働いて分かったことは「自分ができる限りの価値を提供しても、会社の文化に適応できなかったら意味はない」ということでした。私が働いていた会社は仕事で成果を出すよりも、週末の会社のイベントや飲み会に貢献した方が出世しやすかったからです。
当時の私は「なんだ、真面目に仕事をするだけ損なんじゃん。」と感じ、老舗和菓子屋で働いていた時のような情熱はどんどん消えていきました。もちろん仕事を手抜くことはしませんが、その会社に注ぐエネルギーは最小限にして、環境を変えるための婚活や転職活動にエネルギーを集中させたのです。
しかし私にとって無駄だと思っていたことが、転職活動で大いに役に立ちました。私が新卒で入社した会社で出してきた成果を転職活動で話すと「2年間でそこまでの経験をした人材はなかなかいませんよ。」と驚かれました。新卒で入社した会社で提供した価値が信用になり、最終的には4社から内定をいただくことができました。
結局転職先の会社は半年で辞めてしまいましたが、「自分ができる限りの価値を提供する」という気持ちはノマドワーカーになった今でも大切にしています。誰かに価値を繰り返し提供することで信用残高が高くなり、お金に恵まれるようになるのだと思います。
お金をもらう前に、信用を積み上げて価値を提供する
今までは人を騙せばお金が手に入った時代だったかもしれません。しかし新しい時代では、お金をもらう前に、信用を積み上げて価値を提供することが大切だと思います。
私は大学時代に老舗和菓子屋のアルバイトで、お金よりも信用を大切にすることがビジネスを長続きさせる秘訣だと学びました。まずは自分が与えられる価値を提供して、信用を積み上げる。それを繰り返すことで、お金に恵まれるステージに辿り着けるのだと思います。
最近私のもとには、「旦那よりお金を稼ぎたい」「好きな時に好きな場所で稼げるようになりたい」という相談を受ける機械が増えてきました。その気持ちは痛いほど分かりますし、多くの女性に幸せな働き方をして欲しいと思っています。
しかし理想のライフスタイルを実現させるためには、自分の価値を提供するのが先です。まず信用を積み上げて価値を提供していく。提供した価値に見合ったお金をいただく流れを繰り返すことが、老舗和菓子屋のようにビジネスを長続きさせられる秘訣だと思います。