こんにちは、蒼井礼子です。
こどもに幸せ育って欲しいという思いは、ほとんどのパパママが抱いている気持ちではないだしょうか。私もその一人で、1歳5ヶ月の息子は幸せな人生を歩んで欲しいと思っています。
では子供を幸せにするために、親はどうしたらいいのでしょうか。子供に愛情を注ぐ事、子供のためにお金を溜めておくこと、子供に色々な体験をしてもらうなど…色々なことをイメージすると思います。
確かに、子供に対するアプローチの方法を考えることも大切です。しかし私はその前に、両親の夫婦関係が良好であることが凄く大切だと思います。ここでは子供の幸福感に両親の夫婦関係が与える影響について、私の実体験に基づいた話をご紹介します。
パパママの夫婦関係は、こどもの心に大きく影響する。
幸いなことに、現在の私の両親の夫婦関係は良好です。しかし過去は毎日のように夫婦喧嘩をしていたので、子供ながらに辛い思いをしてきたのを覚えています。
私の父は製薬業界で仕事一筋で働いてきた人です。典型的な『趣味=仕事』のサラリーマンで、私が幼少時代の時は平日に会っていた覚えはあまりありません。私には姉と妹がいますが、父は3人の子どもたちの育児と家事は全て母に任せていました。
私が小学生の時は父が大きなプロジェクトの責任者に任されていたそうで、子供たちが起きる前に出勤し深夜に帰宅する生活が続きました。母は独身時代は小学校の教師をしていましたが、育児に専念するため専業主婦の道を選んでいました。多忙な父を支えるために、母は家事と育児をしながら妻としての役割も果たしていました。父が仕事に出る時間に合わせて食事を作り、父が疲れている時は車で父を会社まで送迎し、深夜に父が帰宅するまで起きて待っていました。
父は仕事、母は家事と育児に奔走していましたが、二人とも疲労が溜まっていたのでしょう。ある時期から、ささいな事で頻繁に夫婦喧嘩をするようになりました。両親の喧嘩を見て嬉しいと思う子供はいません。それどころか、子供の心に傷を残してしまいます。私は今の両親の夫婦関係が良好であることを嬉しく思いながらも、20年以上昔に両親が大声で喧嘩している光景を今でも覚えています。
私の両親の教育方針は「好きなことを勉強させる」だったので、子供が勉強をする環境として不便を感じたことはありませんでした。塾や習い事でやりたいと思ったことはさせてくれましたし、お金が理由で何かを勉強できなかったことはありませんでした。その意味では、私は非常に恵まれた子供時代を送ることができたと思っています。
しかし子供から見ても両親が幸せそうに見えない。子供のため、パートナーのため、会社のために自己犠牲をしている姿に違和感を感じていました。そして両親から「好きなことをしない」と言われても、両親が好きなことをしていないのにどうやって好きなことを見付けたらいいのか分からないと思っていました。
そんなある日、父が仕事の都合で単身赴任をすることになりました。私はすでに父が家にいない事に違和感を感じていなかったため、父が単身赴任をすることに何も感じていませんでした。ただ変化を感じたのは、両親の夫婦関係が良くなったことでした。喧嘩ばかりしていた両親が、毎日のように電話をしてお互いの近況を話したり、メールを送ったりしている姿を見て子供ながらに安心感を感じました。
そして両親の姿を見て、「距離が離れることでよくなる夫婦関係もある。両親の気持ちが、子供の心に大きく影響するんんだ。」と感じたのを覚えています。もちろん私は不自由なく育ててくれた両親には感謝していますし、現在の仲の良い両親を見るのはとても嬉しいです。ただ、夫婦関係がこどもの精神に与える影響は本人達が思っている以上に大きいと思っています。
科学的調査から分かる、夫婦関係が子供に与える影響
実際に色々調べてみると、夫婦関係が子供に与える影響が大きいことが様々な研究から明らかになっています。
日本で行われた調査では、両親の夫婦関係が悪いと子供に様々な悪影響を及ぼすことが分かっており、低い自己評価や抑うつ傾向にあることが分かっています。また他人に対する基本的信頼感の欠如が生じる傾向にあることも報告されています。また一方の親が、パートナーの悪口を子供に言うことが、子供の自己肯定感を低くし家庭での安心感が低い傾向にあることも分かっています。
またアメリカで行われた調査によると、両親が離婚した子供は捨てられるという不安感が強くなり、将来的に学業の成績悪化や社会的地位が低くなることに繋がることが明らかになっています。
両親の夫婦関係が悪いことで、子供に大きな悪影響を及ぼしてしまうことが分かります。逆に両親の夫婦関係が良いだけで、子供の自己肯定感が高くなり、家庭に対する安心感が強くあり、学業や仕事にも良い影響を及ぼすことができると考えられます。
子供を幸せにする方法は、両親が幸せな夫婦関係を築くこと
子供の幸福感に大きく影響を与える要素のひとつに、両親の夫婦関係があることをご紹介しました。私は子供の幸せを願うのであれば、まずは両親が幸せな夫婦関係を築くのが必要だと思っています。
ただし幸せな夫婦関係の形は人それぞれです。人間関係もそうであるように、夫婦の間にも「適切な距離感」があります。私の両親のように、物理的に離れていることで仲が良くなる夫婦関係もあります。
幸せな夫婦関係を築くためには、まず世間一般の常識を全て捨てることが大切です。その後に、どのようなライフスタイルを送れば幸せだと感じるのか、パートナーとどのような距離を保てば心地よいのか自分と相手と考えることが重要です。
私は両親が自分の意思の元で「幸せな夫婦関係」を築くことで、子供の自己肯定感を高くすることが期待できます。その結果、子供は幸せな生きかたを選ぶことができると思っています。
自分を幸せにするということは、他人を犠牲にするわがままではありません。むしろ自分を幸せにできない人は、パートナーも子供も幸せにできないと思います。大切な人を幸せにしたいと思うのであれば、まずは自分から幸せにすることを考えてみてはいかがでしょうか。